道化語録

文学を学ぶ学生ですが主に文学以外のことを書きます

2024-01-01から1年間の記事一覧

本阿弥光悦の大宇宙

東京国立博物館で開催されている「本阿弥光悦の大宇宙」という展覧会に行った。 私の先生の一人が、光悦は日本で最も優れた芸術家だと言っていたのを思い出したので。 それもうなずける話だと思った。 活躍した領域の広さにおいては、光悦のような万能人は歴…

三味線やくざ

ひさしぶりに浅草の木馬亭で浪曲を聴いた。 ユーモアもまじえつつ語ってくれるけれど、やはり話芸そのものの明晰さという点では、間に挟まれた講談に一日の長があるな、と思った。 浪曲はうなるので時に言葉が聞き取れない箇所がある。しかしそれでも、語り…

三島由紀夫『サド侯爵夫人』 サラダボール公演 こまばアゴラ劇場

三島由紀夫の戯曲『サド侯爵夫人』の公演があるから見てきた。 サラダボールという四国の劇団についてはよく知らなかった。 けれど、あまり貴族と思えない雰囲気の日常的な会話で1幕が始まった時は少々暗澹とした気持ちになった。 が、その導入も激しいクラ…

展覧会の絵

博物館や美術館で、特に大きな展覧会をやっている時は人でごった返している。 私も含めて多くの人にとってはその会場でしか見られないものだから、行列に耐えても見たいという気持ちはよくわかる。 だが、ふと我に帰ると、なんでこう、展示品を皆でありがた…

英国ナショナルシアターライブ シェイクスピア『オセロー』

映画館で舞台の上映記録を見た。 英国のナショナルシアターでのシェイクスピア作『オセロー』。 この演目は本でしか読んだことがなかった。 字幕付きの舞台映像で見ると、相当陰惨なセリフ劇だ。外題役のオセローをはじめ、登場人物の苦しみは血生臭い程だ。…